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2006年8月17日 (木)

パルコ「噂の男」

8/17(木)19:00~パルコ「噂の男」観劇。

(2006/8/11~9/3 パルコ劇場 作:福島三郎、演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ、出演:堺雅人、橋本じゅん、八嶋智人、山内圭哉、橋本さとし、猪岐英人、水野顕子)

この5人なんだから、おもしろくないわけがない!
おもしろいに決まってる、期待まんまん。
誰目当てって、全員だよ、5人とも。
そういう心積もりで行きましたから。
まあ、本当はじゅんさん目当てなんだけれども。


開演前に隣の女性2人組の会話が聞こえてきてちょっと衝撃。
入口でもらうチラシの束を見ていたのですよ、彼女たちは。
で、レミゼのチラシにさとしさんの顔が載っているのを発見し、
「あっ、この人って本当はミュージカルスターなんだぁ」

・・・えっ!?「ミュージカルスター」ですか・・・・・・。

確かに今はミュージカルもやっていますが、確かにレミゼのさとしさんの顔写真は「帝劇出てます!」みたいな顔ですが、「本当は」って言葉にちょっとひっかかり(笑)。
で、彼女たちは、どうやらじゅんさんとさとしさんの区別がついてないらしく、NODA・MAPのチラシに出ているじゅんさんの顔写真を見て、
「えっ、この人!?あ、下の名前違うわ。」
「だって明らかに顔が別人じゃん。」
みたいな会話。
う~ん、ちょっとショック・・・。
っていうか、ものすごく素朴な疑問。
この芝居を観に来る人の中で、じゅんさんとさとしさんを知らない人がいるのだろうか・・・。
まあいいか。


本題に入りましょう。

当初は男5人のお話だったはずですが、ふたりキャストが増えていました。
今日初めて知りました。
パンフレットでは小さく名前が載っているだけで、全然どこの誰なんだかまったくわからなかった骨なしポテトのふたりですが、「アーノルドシュワルツェネッガー」という劇団のふたりのようです。


福島さんの書いたお話とは思えないほど、いや~なお話になってますね。

とりあえず福島さんがお話書いて、稽古場でKERAさんがもっともっといやなお話になるように好きにいじくったということですが、とにかく人が死にまくるとか、「うわぁ・・・」って顔をしかめちゃうようないやな雰囲気がいっぱいなところとか、「あれ」ってセリフを多用するところなんか、KERAさんぽいんだけど、でもやっぱりKERAワールド全開じゃないんだよね。
いつもなら後味わるーいまま帰らざるをえないけれど、今日は後味悪くなかったもん。
なんか微笑ましさすら感じちゃったよ、ラストシーン。
血だらけ死体だらけなのに。


劇場の稽古場代わりになっているボイラー室で、現在と12年前が交錯しながら進む物語。
人気絶頂な漫才コンビ「パンストキッチン」。
モッシャンの相方アキラは、そのルックスとスタイルでドラマ・ラジオ・雑誌などなどお笑い以外の仕事のオファーが殺到。
織田裕二や山口智子、一色紗英とドラマで共演。
そのせいで、ふたりの関係性は以前と変わりぎくしゃく。

漫才やってるときのふたり、本当に楽しそうだったぁ~(笑)。
特にさとしさん。
もうつっこまれるのが楽しくて楽しくてしょうがない!って雰囲気がありありと出ていまして、演技なんだか素なんだかわかんないところがまたいい。
じゅんさんとさとしさんが漫才をやっている姿を観られるなんて本当になんだかうれしい。


まあ揃いも揃って最低男の集まりだったけれど、鈴木くんも最低な男だったねぇ。堺さん。
12年前はパンストキッチンのマネージャー、今は劇場支配人。
喜怒哀楽をすべて笑顔で表す男。
見た目がいちばんまともそうな男なのに。
12年前に受けた数々のいじめ、敬愛してやまなかったアキラと愛するペットハムスターを死なせたのはモッシャンだという思い込みから成し遂げた12年後の復讐は、本当に「うわぁ、こいつ最低!」って内容だったし。
12年経って初めて知ったハムスターの真実は、彼にとってものすごく衝撃な事実だったのでしょうね。
人ひとり殺しちゃうんだから。


「ユキオ襲われる」の新聞記事、見出しだけ変えてて、記事本文は元・極楽の山本さんの記事だったよね、あれ。
ぱっとしか映らなかったからあんまり自信ないけれど、たぶんそう。
ああいう舞台に使用する新聞記事って、記事本文もちゃんと書くんだと思ってたのに、実際のお笑いコンビの不祥事記事を使用するなんて、うわぁ~きっつ~と思ったんだけど。


現在のモッシャン、廃人同然な姿で、四六時中酒を飲み、アキラを失ったショックと酒のせいで精神までおかしくなってしまってる、という設定。
だけど、ときどきものすごく的を得たことを言ってるし、突っ込みのキレだけは健在だし、
「モッシャン、本当はものすごく正常で病んだふりをしてるだけなんだろうなぁ。」
と早い時点から思っていたんです。
だけど、最後の最後まで本当に病んでいたので、「考えすぎたかなぁ?」と思っていたら、本当に最後の最後、これまでの動きとは明らかに違う俊敏な動きと明確な意思と言葉。

「アキラ、さっきは無視してごめんなぁ」
って泣きそうになっちゃった。
私たちには姿の見えないアキラ(きっとモッシャンには見えているんでしょう)とふたり、漫才をやっているモッシャンが本当にうれしそうで楽しそうで、これまでの最低の展開、まわりに転がっている死体を忘れて、笑顔にすらなってしまったのでした。


お互いがお互いの才能を認めていながら、すれ違ってしまった12年前。
一方は相方がルックスのおかげで漫才以外の仕事を多く引き受けていることを快く思わず常にいらいら。その矛先はマネージャー鈴木くんへ。
一方は自分の漫才以外の人気にうぬぼれ?と不安?を感じ自分に余裕がなくなっている状態。

だけど本当にお互いを認めていたからこそ、お互いに伝えたいことを伝えられずに別れてしまったことへの後悔があるからこそ、酒びたりの日々を過ごしたり、いつまでも成仏できずにボイラー室に現れたりしてたんですよね。
そんなふたりがわかりあえた瞬間な気がして、だからこそ笑顔になったのかな。


前半は確かに爆笑シーンもありましたが、(スーパーマンから「スーパー」をとったらただの「マン」やろ、なあたりとかけっこう好きだった)全体的にダークな雰囲気だったので、今度はこの5人で純粋なバカ芝居を観てみたい(笑)。

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